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Posted by おてもやん at

2011年02月11日

仰清正公 №2 落語に出てくる清正公

-仰清正公- №2 落語に出てくる清正公 
清正公生誕450年没後400年・九州新幹線全線開業記念企画


■第2話「落語に出てくる清正公」

 戦国時代の武将と落語と、縁がなさそうなのですが、「清正公酒屋」と、ちゃんと名前まで入っている落語があります。

 この場合、清正公は、「せいしょうこう」と呼びます。落語という話芸ができたのは江戸時代で、加藤清正は江戸っ子に人気があり、「せいしょうこう」と呼ばれていたようです。



アラスジ--

 江戸のある町、二軒のお店が向かい合ってありました。

 一方は菓子屋で屋号は虎屋、木彫りの虎を屋根に載せ、それが看板になっている。 一方は酒屋で、加藤清正の木像を店に飾っているので清正公酒屋と呼ばれている。甘党と辛党、扱うものお客の筋もちがう。清正と虎、両家が仲がいいはずはない。

 その上、虎屋はお念仏(南無阿弥陀仏の宗旨)、酒屋はお題目(南無妙法蓮華経の宗旨)である。

 酒屋の息子、清七は、町内一の好男子、つまりイケメンで、虎屋の娘おなかは小町といわれる美貌。これが相思相愛の仲になってしまった。ともに一人息子と一人娘、これまでのいきさつもあり、結ばれる縁ではない。本人たちも親にせがんだ。

 虎屋は娘を遠いところの親類に預けたが、恋の炎は燃え盛るのみ。
 清七は、おなかから来た手紙に誘われてたずね、連れ出す。が、添いとげることはできないと、あの世で結ばれようと情死することを決め大川に身を投げることになる。

 一歩先におなかが飛び込んだ。清七も続いて飛び込もうとすると、「待て清七、はやまるな」と腕を捕まれる。

 振り向くとそこにいるのは蛇の目紋をつけた烏帽子に鎧兜、手に片鎌の槍を持つ清正公ではないか。

 清七は「アァ、ありがとうぞんじます。どうせお助けくださるなら、女のほうも願います」

「いやいや、おなかの方は助けることはできん」

「そりゃまた、なぜでございます」



--あとはこの落語のオチになります。このオチを明かさないのが落語の話をするときの掟です。どうぞ寄席で聞いてください。(JS)
  


Posted by たわらや at 11:51Comments(0)

2011年02月11日

分かりやすい清酒醸造学 №8仮面ライダーみたいな清酒酵母たち

-分かりやすい醸造学- №8
仮面ライダーみたいな優良清酒酵母たち


◆ 優良清酒酵母

 酒づくりに関与する酵母は、優良清酒酵母と野生酵母(家付酵母を含)に分けられます。
 優良清酒酵母は、目標とする酒づくり、例えば、目標のアルコール度数、目標の日本酒度や酸度やアミノ酸度、整った香味にピッタリとあった、醸造経過をコントロールできる酵母を指します。一般に低温でよく発酵を致します。


◆ 仮面ライダーみたいな日本酒の酵母

 日本酒のラベルの裏側を見た時に、使用酵母の欄があります。その欄の中に「7号酵母」やら「9号酵母」などと記載されています。弊店にご来店なさったお客様からこんな質問が来ました。

「使用酵母の7号やら9号って何ですか?」

「酵母が換えれば、酒の味は違うのですか?」

 答えは、7号やら9号というのは、酵母に付けられた名前のことです。日本醸造協会では、全国から優秀な日本酒や焼酎を醸しだす酵母を集めて、培養して、全国の日本酒や焼酎蔵に販売しているのです。発見した順番で1号から番号がついています。

 昭和50年ごろから、吟醸酒がブームになるとともに吟醸酵母が注目を集めてきました。もともと酒蔵にはその蔵に住み着く「蔵付酵母」がいて、優秀な酵母は「日本醸造協会」に登録され全国の蔵元に配布されているのです。これは、健全に優れた日本酒を全国的に釀造できることは、特に戦前は国を富ますため重要な政策だったようです。酒税で日本は富国強兵を進めてゆきました。
 最近では、県単位に独自酵母の開発が進み、静岡酵母、秋田酵母、アルプス酵母(長野)など有名な酵母が排出され、そのいくつかは日本醸造協会に登録され、全国に協会酵母として配布されています。


◆ 同じ酵母を使っても同じ原料を使っても、同じ香味にならないのは何故?

 日本酒の大半が協会9号や10号酵母で造られています。原料米も精白歩合も同じ、酵母も同じなのに、香味が大きく違う日本酒があります。どうしてですか?という質問が来ます。

 同じ酵母を使っても、蔵の中には蔵付酵母という蔵ごとに異なる自然酵母が存在します。蔵内の空気中を浮遊して、仕込中にタンクに入り醗酵に関与します。もちろん、蔵人の流儀の違いもありますが、酵母の見えない力が関わっているのは事実なのです。

【協会酵母一覧】
協会酵母×市販年×分離蔵元
1号(灘)×明治39×桜正宗
2号(京都)×明治?×月桂冠
3号(広島)×大正3×酔心
4号(広島)×大正13×不明
5号(広島)×大正14×賀茂鶴
6号(秋田)×昭和10×新政
7号(長野)×昭和21×真澄
8号    ×昭和37×試験所
9号(熊本)×昭和43×香露
10号(東北)×昭和52× 明利
11号    ×昭和50×試験所
12号(宮城)×昭和41×浦霞
13号    ×昭和56×9号と10号の交配
14号(金沢)×平成7×金沢
15号(秋田)×平成8×秋田

この他にも、県レベルで沢山の優秀な酵母が分離開発され、日本酒の香味のバリエーションを生み出しています。



  


Posted by たわらや at 11:47Comments(0)