2011年09月06日
知っているようで知らない酒の話№159塩害に強いコシヒカリ
09月06日号: 知っているようで知らない酒の話 №159
- 塩害に強いコシヒカリをつくる② -
(昨日の続き)
◆ マルチ品種のコシヒカリの開発
コシヒカリは日本人が感じる食味に適した品種であることはみなさんご存知であると思います。しかし、コシヒカリという品種は、イモチ病という病気にたいへん弱い品種です。イモチ病は、日本において、米を栽培する中で、最も大敵とされる病気です。葉や穂にイモチ菌が付着すると、その部分が褐色と化し枯れ始めます。最後には、株全体が枯れますし、隣の株に移り、イモチ病は瞬く間に、田んぼ全部、隣の田んぼ全部、地区の田んぼ全部、村の田んぼ全部と、まるで、枯れ葉にマッチを落とした時にように、次々と広がっていくというたいへん怖い病気です。江戸時代、このイモチ病により、飢饉に見舞われ、凶作となり、餓死者を出してきたことは言うまでもありません。
コシヒカリはイモチ病にたいへん弱い性質です。昨今の日本では、無農薬や減農薬農法で栽培した食米の需要が高いことは皆さんも肌で感じていることと思います。農薬の量や回数を減らすということは、現行の農法で育てたよりも遥かに、イモチ病にかかりやすくなります。しかし、市場が求めているのは、そのような栽培を施したコシヒカリであるか、さて、困ったものだ~。米の研究者の知恵で問題を解決することに。
品種改良の専門家たちが考えたことは、イモチ病に強い品種を、世界中のイネの中から見つけ出すことであった。イネの品種は、何万、何十万という品種が存在するから、たいへん根気がいる。その中で、イモチ病にかからないある品種を発見。このイネはイモチ病にかからない、特殊な遺伝子を持っていたことが分かったのです。この遺伝子のことを、イモチ病抵抗性遺伝子といいます。
この品種とコシヒカリを交配させて、コシヒカリの遺伝子の中に、イモチ病抵抗性遺伝子をプロットしてやります。言葉で書くと、いとも容易く思えますが、実はたいへん。これこそ、日本のお家芸のバイオテクノロジーなのです。
出来上がった品種・コシヒカリBLは、食味はコシヒカリと同じだが、イモチ病にかからない品種が完成したのです。
このような技術を応用して、インド原産の米の品種に『ナノボクラ』(Nona Bokra)の中から、耐塩性の遺伝子を探し当て、コシヒカリと交配させ、耐塩性遺伝子をプロットすることに成功すれば、津波による塩害で、稲作ができない田んぼでも稲作ができ、圃場環境を保全でき、農家や農村を救済することができます。
本日イチオシの旬の酒
【雅山流 九郎左衛門 外伝 諒(りょう) 多麹仕込純米】

灼熱の夏がやってきました。節電ムードの中、体をクールダウンさせるお酒の登場です。脳天直撃な酒「諒」。この度発売される『九郎左衛門 外伝 諒』は、蔵人が入社2年目に始めて醸した多麹仕込(麹歩合約50%)の酒です。色濃く芳醇な味わいの純米酒に仕上がっております。氷を入れて、炭酸水、サイダー等で割ることでより美味しくいただけます。
原料米: 出羽の里
精米歩合: 65%
日本酒度: -2.0
酸 度: 2.5
アミノ酸度: 1.2
度数: 16.5%
酵 母: 山形酵母
価 格: 720ml 1365円(税込)
東北の復旧にさまざまな分野の専門家たちが、それぞれの専門分野で知恵と汗を出し合って立ち向かっているのです。がんばろう日本!!。(終)
- 塩害に強いコシヒカリをつくる② -
(昨日の続き)
◆ マルチ品種のコシヒカリの開発
コシヒカリは日本人が感じる食味に適した品種であることはみなさんご存知であると思います。しかし、コシヒカリという品種は、イモチ病という病気にたいへん弱い品種です。イモチ病は、日本において、米を栽培する中で、最も大敵とされる病気です。葉や穂にイモチ菌が付着すると、その部分が褐色と化し枯れ始めます。最後には、株全体が枯れますし、隣の株に移り、イモチ病は瞬く間に、田んぼ全部、隣の田んぼ全部、地区の田んぼ全部、村の田んぼ全部と、まるで、枯れ葉にマッチを落とした時にように、次々と広がっていくというたいへん怖い病気です。江戸時代、このイモチ病により、飢饉に見舞われ、凶作となり、餓死者を出してきたことは言うまでもありません。
コシヒカリはイモチ病にたいへん弱い性質です。昨今の日本では、無農薬や減農薬農法で栽培した食米の需要が高いことは皆さんも肌で感じていることと思います。農薬の量や回数を減らすということは、現行の農法で育てたよりも遥かに、イモチ病にかかりやすくなります。しかし、市場が求めているのは、そのような栽培を施したコシヒカリであるか、さて、困ったものだ~。米の研究者の知恵で問題を解決することに。
品種改良の専門家たちが考えたことは、イモチ病に強い品種を、世界中のイネの中から見つけ出すことであった。イネの品種は、何万、何十万という品種が存在するから、たいへん根気がいる。その中で、イモチ病にかからないある品種を発見。このイネはイモチ病にかからない、特殊な遺伝子を持っていたことが分かったのです。この遺伝子のことを、イモチ病抵抗性遺伝子といいます。
この品種とコシヒカリを交配させて、コシヒカリの遺伝子の中に、イモチ病抵抗性遺伝子をプロットしてやります。言葉で書くと、いとも容易く思えますが、実はたいへん。これこそ、日本のお家芸のバイオテクノロジーなのです。
出来上がった品種・コシヒカリBLは、食味はコシヒカリと同じだが、イモチ病にかからない品種が完成したのです。
このような技術を応用して、インド原産の米の品種に『ナノボクラ』(Nona Bokra)の中から、耐塩性の遺伝子を探し当て、コシヒカリと交配させ、耐塩性遺伝子をプロットすることに成功すれば、津波による塩害で、稲作ができない田んぼでも稲作ができ、圃場環境を保全でき、農家や農村を救済することができます。
本日イチオシの旬の酒
【雅山流 九郎左衛門 外伝 諒(りょう) 多麹仕込純米】

灼熱の夏がやってきました。節電ムードの中、体をクールダウンさせるお酒の登場です。脳天直撃な酒「諒」。この度発売される『九郎左衛門 外伝 諒』は、蔵人が入社2年目に始めて醸した多麹仕込(麹歩合約50%)の酒です。色濃く芳醇な味わいの純米酒に仕上がっております。氷を入れて、炭酸水、サイダー等で割ることでより美味しくいただけます。
原料米: 出羽の里
精米歩合: 65%
日本酒度: -2.0
酸 度: 2.5
アミノ酸度: 1.2
度数: 16.5%
酵 母: 山形酵母
価 格: 720ml 1365円(税込)
東北の復旧にさまざまな分野の専門家たちが、それぞれの専門分野で知恵と汗を出し合って立ち向かっているのです。がんばろう日本!!。(終)
Posted by たわらや at 06:56│Comments(0)