2011年02月05日

冨士酒造で神力を仕込2加藤清正公生誕450年没後400年記念

冨士酒造で神力を仕込む №2 -加藤清正公生誕450年 没後400年 九州新幹線全線開業記念企画-

(前回の続き)

■ 山形酵母について

 日本酒は米と米麹、そして日本酒酵母の発酵によって造られます。ひと昔前までは、日本酒の大半が、熊本酵母(協会9号酵母)で仕込まれていました。

 酒の特徴は、原料米の選定、酵母の選定で決まります。全国の酒蔵が、こぞって、「山田錦」を使用して、精米歩合35%まで磨き、熊本酵母(協会9号)で仕込む。発酵の経過を、熊本県酒造研究所(香露醸造元)・萱島昭二先生が編み出したB曲線(注)に従ってモロミを管理すると美酒が出来上がります。これは全国新酒鑑評会で金賞を受賞するための方程式とも言われました。YK35(Y=山田錦、K=熊本酵母、35=35%精白)という言葉が生まれました。

 そんな時代の中、山形は独自性を打ち出すために、山形県が中心となって、山形に適した酒米の開発、その酒米に適した麹菌の開発、そして適した酵母の開発を進めてきました。現在でこそ、地産地消が声高に言われていますが、そのパイオニアとなったのが、山形酵母であったと記憶します。

 山形酵母が生まれたのは昭和61(1986)年。山形のとある酒蔵の蔵付酵母から分離した吟醸用酵母Y-1(YAMAGATA-1)株。その後、ソフト化清酒酵母としてYK-0107株とYK-2911株の2種類を加えて、合計3種類が平成3(1990)年より山形県内の酒蔵に頒布されました。
 当時の特徴として、エステル生成量(香りが高い)高く、酸味がやや多めとなる傾向にあります。初めて飲んだ時の感想として「これって、白ワイン?」というような新鮮な印象は忘れられません。

 余談だが、この翌年の平成4(1991)年に長野県から長野アルプス酵母が登場し、その後、秋田県から秋田花酵母が登場。全国各地で、それぞれの地産酵母がぞくぞく登場するようになりました。

B曲線(注)…BMD曲線ともいう。これについては、日刊たわらやかわら版2010年08月30日号・知っているようで知らない酒の話№97を参照ください。

■ 熊本神力と山形酵母のコラボ

 これまで熊本県山鹿市・千代の園酒造㈱で、平成7年BYより神力を仕込んで参りました。しっかりした味わい、芳醇な旨味を持ちながらキレのよい男酒といったところでしょうか。

 山形県の栄光冨士の酒質は、繊細にしてきめ細やかなです。栄光冨士流の神力はきっとお姫様のような柔らかなふんわりした酒質になるのでは~と産まれる前から想像というか希望を持っています。(笑)(つづく)

【目でみる栄光富士流神力の仕込み】
冨士酒造で神力を仕込2加藤清正公生誕450年没後400年記念
冨士酒造で神力を仕込2加藤清正公生誕450年没後400年記念

(写真の提供:冨士酒造㈱)

綺麗な麹米です。麹菌の菌糸が米全体にまんべんなく行き届いています。いい麹米ができているようです。

酒造りは、一麹、二酛、三造りと申します。麹づくりが酒づくりの要になります。

 きっといい酒ができると思います。楽しみです。







Posted by たわらや at 09:15│Comments(0)
 
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