酒の話№151 酵母は仕方なくアルコール発酵をしているのだ
おはようございます。
今朝の熊本(菊陽町)の天気は快晴。
9時の気温は28℃。
予想最高気温33℃ということで、今日も暑い一日になりそうです。
昨日、鹿児島が梅雨明けしました。
観測史上2番目に早い梅雨明け、去年よりも3週間も早い梅雨明けのようです。
熊本も向こう一週間の天気予報はずっと晴れ。
熊本も梅雨明けがまじかではないかと思います。
お店の脇の歩道橋から撮った写真です。
ご覧のように入道雲がもくもく出ています。
06月29日号:知っているようで知らない酒の話 №151
- 酵母は仕方なくアルコール発酵をしているのだ -
■ 嫌気状態と好気状態
みなさんは、酵母をご存知ですか?。お酒を造る時になくてはならない目には見えない微生物です。単細胞の生物です。生物である以上、エネルギーを得るために呼吸をしています。
我々人間も、鼻や口から酸素を吸って、肺に運びます。肺の細かな孔では、血中のヘモグロビンが二酸化炭素の手放し、酸素を吸着して、心臓から勢い良く送りだされ、体の隅々の細胞に酸素を運びます。それぞれの細胞は、酸素を取り込み、糖分を利用して燃焼させエネルギーを得て運動をします。酸素は二酸化炭素となって、ヘモグロビンによって再び肺へと流れて行きます。これが、我々動物の一般的な呼吸です。
では、酵母はどうでしょう。酵母はアルコール発酵をするものと思っている方がほとんどでしょうね~。
実は、酵母も、我々人間と一緒で酸素が大好きです。何故かをお教えいたします。
酸素がある状態を好気状態といいます。逆に酸素がない状態を嫌気状態といいます。
好気状態では、酵母は糖を分解してエネルギーを得るために酸素を使います。
(イ) C6H12O6 + 6 O2 → 6 CO2 + 6 H20 + 38ATP・・・有酸素燃焼
1個のブドウ糖と6個の酸素を酵母の体内で分解し、6個の二酸化炭素と6個の水と38個のATPをつくります。ATPとはアデノシン三リン酸です。アデノシン三リン酸は、生物の体内でエネルギーを必要とする反応過程には必ず使用される物質です。生物のエネルギー通貨みたいなものと理解してださい。
一方、酸素の無い嫌気状態では
(ロ) C6H12O6 → 2 C2H5OH +2 CO2 + 2APT・・・アルコール発酵
という反応が起こります。1個のブドウ糖から、2個のアルコールと2個の二酸化炭素と2個のATPをつくります。酸素があった時には38個つくれたATPですが、酸素がない状態ではたった2個しかつくることができません。
ですから、酵母の本音は、たくさんの酸素がある好気状態が好きなのです。
しかし、酷いもので、人間は、敢えて酵母に過酷な無酸素状態でアルコール発酵を強いて、アルコールを搾取しているのです。
しかも、吟醸仕込みともなれば、酵母を生きるか死ぬかの瀬戸際の低温で発酵させ、あのかぐわしい吟醸香を作り出すのです。なんとも、酵母には感謝をしなければ、バチがあたるというこのです。
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