2011年04月28日

地食ご紹介 №9 小袖餅

04月28日号:地食ご紹介 №9 
-小袖餅- 宇土市


 このコーナーを書くのは今年初めてです。
お酒の話題ではありませんが、お米を加工して造るお菓子。
美味しいものに加工してきた日本人の知恵にいつも感動を感じます。
お酒も、お菓子もほんとうに私達の普段の生活を楽しいものにして
くれますね。

■ 小袖餅(こそでもち)

 熊本の南、四里離れたところに宇土という町があります。宇土にはお城がある城下町でした。この宇土城の城主として有名なのが、戦国時代の武将・小西行長です。小西が治めるずっと前に小袖餅の物語が始まります。

地食ご紹介 №9 小袖餅

地食ご紹介 №9 小袖餅

 小袖餅のラベルの裏には、こう書いてあります。
永正十四年(1517年)の或日宇土城主名和伯耆左衛門尉は民情を見んものと独り忍びで城下を歩かれ、とある町端れの茶店に這入り心ゆくばかり餅を味われました。城主のお顔を知らない茶店の娘静江はさっさっと出て行かれる城主に「お餅代を戴きます」と申しました。城主はお金が無いのに気付、ほとほと困られ遂に小袖を切って「是を持って城内に来い。さすれば餅代をとらす」と言って立ち去られました。小袖の紋で城主であることを知った娘静江は自分の無礼の罰が母に及ぶ事を恐れ、其夜城内に忍び込み母を救けて私独り成敗して下さいと嘆願いたしました。城主は静江の孝心に感激せられ、小袖と沢山のお金を下し置れました。それから静江の孝心と餅の美味を賞へて誰言ふとなく「小袖餅」と名付けられ次の様な俗謡さえ流行しました。“餅は餅でも小袖の餅は、可愛い静江の味がする”。
小袖餅本舗 主人 敬白

 紙の包みをはずせば、一口サイズのかわいいお餅が十個入っています。柔らかなお餅の中に、コシ餡が入って、程良い甘さ。中世の名和伯耆左衛門尉というお殿様もさぞこの菓子が好物だったのでしょう。500年の時を経て、今でも、熊本の人々に愛されている伝統のお菓子です。

地食ご紹介 №9 小袖餅

★肥後 宇土名物 小袖餅熊本県宇土市城之浦町10番地
合名会社 小袖餅本舗 TEL (0964)(22)0246







Posted by たわらや at 06:18│Comments(0)
 
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